8月30日、HSBCとシンガポールの投資会社Temasekはアジアにおける持続可能なインフラ整備の加速に焦点を当てた新しい債券融資プラットフォーム「Pentagreen Capita」を立ち上げると発表した。
新会社は、設立株主であるHSBCとTemasekが提供する1億5千万ドル(約140億円)の資本金で発足し、5年以内に10億ドル(約1,400億円)の融資を展開することを目指す。
戦略的パートナーには、アジア開発銀行とClifford Capitalが含まれ、オリジネーション、技術サポート、プロジェクトファイナンスの専門知識を提供する。
設立パートナーによると、本プラットフォームは、気候変動がもたらす課題と機会に対処するために必要な持続可能なインフラのための資金ギャップを埋めるのを助けることを目的としているとのことだ。Pentagreenは、積極的なコラボレーション、技術支援、プロジェクトアドバイザリーサービスの提供、そして規模に応じたブレンデッドファイナンスの展開を通じて、銀行融資が困難な革新的な持続可能インフラプロジェクトに対する資金調達の障壁を取り除くことを目的としている。
ブレンデッドファイナンスは、公的資金や慈善団体による資金と民間資金を共通の投資構造で結びつけ、大規模な機関投資家を惹きつけるように設計されており、公的資金提供者やその他の資金提供者は、少額の自己資金を最初の損失として、大規模な民間資金を動員できるようになる。ブレンデッドファイナンスビークルは、気候変動緩和関連の新技術やインフラなど、リスクプロファイルが高いと認識されている特定のタイプの投資への投資を可能にするリスク回避手段だ。
Pentagreenは、東南アジアのクリーンな輸送手段、再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵、水・廃棄物管理などの分野に注力する予定だ。将来的には、他の地域を追加し、気候適応、農業、土地利用、技術主導のソリューションなどの分野のプロジェクトも検討する予定。
同社は、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)から入社したマラット・ザッパロフがCEOを務める。ザッパロフは、アジアプロジェクト開発・投資部門の責任者として、不動産部門における初期段階の資産やプロジェクト開発、取引インキュベーションに資金を提供してきた。IFC入社以前は、エネルギー・インフラプロジェクト開発・アドバイザリーのUnity Developmentを設立し、Clifford CapitalとHSBCでインフラとプロジェクトファイナンス関連の役職を歴任した。
【参考ページ】
(原文)BRIEF-Pentagreen Capital, Sustainable Infrastructure Debt Financing Co Established By Hsbc, Temasek
(日本語訳)BRIEF-Pentagreen Capital、Hsbcとテマセクによる持続可能なインフラ・デット・ファイナンス会社設立。