2月8日、EurelectricとEYは欧州の送配電網に関する課題と対策をまとめた報告書を共同で発表した。報告書によると、2035年までに1億3,000万台のEVがヨーロッパの道路を走るようになるという。それまでにシームレスなユーザー体験を実現するためには6,500万台の充電器を設置する必要があり、そのうち85%は家庭に、4%は高速道路への設置が求められる。
既存の電力網はEVへの移行に対応できるが、将来のエネルギー需要のピークや負荷の増加の対応には、事前の計画と調整が必要である。都市部の配電網でEVの普及率が50%に達すると、無秩序な充電により電圧偏差が生じ、電力供給の質に影響を与える可能性がある。
本研究では、このような課題に対するいくつかの緩和策を検討している。充電ポイントを顧客の利便性を最大限に高める場所に設置し、適切な投資インセンティブを提供することを確実にする一方で、以下のことを推奨している。
・送電網をデジタル化し、顧客の行動、送電網の影響、ネットワークのニーズを理解し、予測し、最適化すること。
・スマートチャージャーを導入して容量を管理し、数百万台のEVが同時に接続された場合の圧力でグリッドが崩壊するのを防ぐこと。
・急速充電や高出力充電の需要が高まった場合に備えて、充電インフラにエネルギー貯蔵ソリューションを統合すること。
Eurelectricは、欧州30カ国以上に会員を擁し、発電、配電、供給に携わる3,500社以上の企業の代弁者となっている。同社は、業界の競争力に貢献し、公共活動における効果的な代表権を提供し、社会の発展における電気の役割の促進を目指している。
【参照ページ】
(原文)The electricity grid can support +100 million EVs, new study reveals
(日本語訳)EurelectricとEY、EVに関する課題と対策についての報告書を発表