IPSASB、公的部門向け気候情報開示で初の国際基準

1月29日、国際公会計基準審議会(IPSASB)は、政府や公的機関を対象とした初の気候関連情報開示基準「IPSASB SRS 1(気候関連開示)」を公表した。気候変動や異常気象が財政運営に与える影響について、透明性と比較可能性を高めることを目的としている。

これまで公的部門では、気候関連リスクや機会をどのように開示すべきかについて明確な国際的指針が不足していた。新基準はその空白を埋め、政府や公的機関が気候変動に伴う財務的影響を一貫した形で報告できるようにする。

IPSASBのトーマス・ミュラー=マルケス・ベルガー議長は「政府の意思決定は経済全体の行方を左右する。気候関連情報は、より強固な公的財務管理のために不可欠であり、リスクと機会を把握することで、気候レジリエンスに必要な資金調達を促進できる」と述べた。

同基準の策定には世界銀行が支援した。世界銀行のアルトゥーロ・エレーラ・ガバナンス部門グローバルディレクターは「これまでサステナビリティ報告は民間部門が中心だったが、公的部門も世界全体の排出量の大きな割合を占めている。新基準は、より包括的な気候情報を社会に提供する重要な機会だ」と強調した。

IPSASB SRS 1は、民間企業向けの国際サステナビリティ開示基準であるIFRS S2と整合性を持たせており、公的部門と民間部門の間で気候関連情報の比較可能性を高める設計となっている。特に、金融機関や資金提供者にとって有用な情報開示を想定している。

同基準は2028年1月1日以降に開始する会計年度から適用され、早期適用も認められる。IPSASBは導入を支援するため、2026年2月12日に国際ウェビナーを開催し、実務面での対応方法について説明する予定だ。

(原文)IPSASB Issues First Ever Public Sector Standard for Climate-related Disclosures
(日本語参考訳)IPSASB、気候関連情報開示に関する初の公的機関基準を発行

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