ビール大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(以下、AB InBev)は、2040年までに農業、醸造、パッケージ、物流、製品廃棄などのバリューチェーン全体で、ネット・ゼロ・エミッションを達成するという新たなコミットメントを発表した。
食品・飲料セクターの排出量は、世界のGHG排出量の約3分の1を占めており、その大部分は、企業の事業活動からの「直接排出」ではなく、食品・飲料企業のサプライチェーンからの排出であるため、取り組みが最も難しい分野の一つとなっている。
AB InBev社によると、2020年には、同社が直接管理できないスコープ3の排出量がフットプリント全体の85%以上を占めており、パッケージが同社のGHG排出量の36.4%を占め、次いで製品の冷却、醸造作業、農業、物流、醸造原料の転換、使用済み製品からの排出量となっている。同社は、バリューチェーンのパートナーと協力して、これらの排出量に対処するための革新的なソリューションを開発していくと述べた。
AB InBev社のCEOであるMichel Doukeris氏は、2040年までにネット・ゼロを達成するためのアプローチについて、画期的な技術を持つサプライヤーや小売業者、新興企業との協力、より広範な業界との連携、サプライチェーン上の農家との連携、地域のイノベーションを促進するための投資を通じた事業およびバリューチェーン全体での地域の排出削減の優先順位付けなどが必要と述べた。
バリューチェーン全体での主な活動や機会としては、農家と協力した栄養管理、バイオ燃料やバイオマスへの転換、エネルギー回収の実施、リサイクル率の向上、低炭素包装ソリューションの拡大、再生可能な電力や熱ソリューションの実施、代替燃料トラックの導入、より効率的な冷蔵、地域でのリサイクルの促進、廃棄物の削減などが挙げられた。
【参照ページ】
(原文)Beer Giant Ab InBev Commits to Net Zero Emissions Across Value Chain by 2040