United Airlines、100%持続可能な航空燃料(SAF)で動くエンジンを搭載した初の旅客便に成功
12月1日、United Airlinesは、100%持続可能な航空燃料を使用した初の旅客便の運航を完了したことを発表した。このフライトは、シカゴのオヘア国際空港からワシントンD.C.のレーガン・ナショナル空港までボーイング737 MAX 8で行われ、右エンジンに100%SAFを、左エンジンに従来のジェット燃料を使用した。
航空輸送は、世界のGHG排出量の2%を占めると言われており、GHG排出量の大きな要因として近年注目されている。SAFは、従来のジェット燃料に比べてライフサイクルでの炭素排出量が大幅に少ないことから、市場関係者の間では航空業界が気候変動の影響に対処するための重要な手段の一つと考えられている。SAFは一般的に、化石燃料ではなく、廃油や農業残渣などの持続可能な資源、あるいは空気中から回収した炭素を原料として製造される。
United Airlinesによると、現在、航空会社はフライトでのSAFの使用を最大50%まで認められているが、今回同社はSAFのみで1エンジンを運転する許可を得た。このSAFエンジンを使用した場合、従来のジェット燃料を使用したフライトと比較して、CO2排出量を約75%削減することができた。
今回のフライトは、カーボンオフセットに頼らずに2050年までに温室効果ガスの排出量を完全に削減するというUnited Airlinesの計画に沿ったものであり、米国の航空会社による一連の行動の中で最も新しいものである。その他の取り組みや投資としては、ブーム・スーパーソニック社にネット・ゼロ・カーボン航空機を15機発注したことや、ゼロ・カーボンの電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発を目的とした航空会社バーティカル・エアロスペース社への投資などが挙げられる。
また、United Airlinesは4月にEco-Skies Allianceを立ち上げた。これは、企業の顧客がSAFの追加費用を支払うことで、オフセットの購入以上に旅行による環境負荷を軽減する機会を提供することを目的としたプログラムである。 United Airlinesは、Microsoft、Salesforce、Zurich North Americaなど、このプログラムに新たに参加することを発表し、プログラムの加盟社数はは約30社に拡大した。