11月9日、英国グラスゴーで開催された国連気候変動会議(COP26)の産業の日に、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は、バリューチェーン全体で製品レベルの炭素排出量データを算出・交換するためのガイダンスである「 Pathfinder Framework 」を発表した。
本フレームワークは、温室効果ガスプロトコルの共同議長を務めるWBCSDの役割を活用して、
産業界や脱炭素化のエコシステムを構成する35のステークホルダーが共同で開発したものである。
Pathfinder Framework によって企業は炭素排出量をより詳細に把握することができ、ビジネス上の意思決定を改善し、ネット・ゼロ目標の達成を支援する。
本フレームワークの発表は、先日発表された「気候回復のためのWBCSDビジネス・マニフェスト」や、消費者、顧客、政策立案者、規制当局、基準設定者、株主、投資家などから企業への脱炭素化の圧力が高まっていることを背景にしている。企業とそのサプライチェーンの両方における温室効果ガス(GHG)排出量の会計処理と追跡は、このような脱炭素化を実現するための重要な要素である。しかし、サプライチェーンの排出量に取り組もうとする企業は、正確に検証された一次データへのアクセスという共通の課題に直面している。
Pathfinder Frameworkは、この課題のうち、製品の炭素排出量を一貫して計算し、交換するためのガイドラインを提供することで、会計の部分に取り組んでいる。Pathfinder Frameworkは、既存の基準や手法を活用しながら、一次データの利用を優先している。
【参照ページ】
(原文)Carbon Transparency Partnership publishes new guidance to enhance consistency of emissions data
(日本語訳)カーボントランスペアレンシーパートナーシップ、排出量データの一貫性向上のため新しいガイダンスを発表