Mastercard、ネット・ゼロ目標の達成を2040年に前倒し。管理職の報酬をESG目標と連動

 

11月1日、世界的な決済テクノロジー企業であるMastercardは、温室効果ガスの排出量をネット・ゼロにするという目標を10年前倒しして2040年に設定したと発表した。

Mastercardは当初、2021年1月に2050年のネット・ゼロ目標を設定し、Science Based Targets initiative(SBTi)によって排出量目標が承認された決済業界初の企業だった。同社の中間目標には2016年を基準として、2025年までにスコープ1および2の総排出量を38%、スコープ3の排出量を20%削減することが含まれている。Mastercardは、その目標が、1.5℃の未来に向けた国連目標に沿ったものであるとしている。

Mastercardは、気候変動に関する目標を達成するために行っているいくつかの取り組みを紹介した。Mastercardは、すでに事業活動において100%再生可能エネルギーに移行しており、今後の戦略としては、バリューチェーン全体の脱炭素化を進めることを主眼としている。最近では、気候変動に配慮したデジタル製品やソリューションのグローバルな研究開発拠点として、サステナビリティ・イノベーション・ラボの設立を発表した。また、銀行向けのカーボン・カリキュレーター・ツールを発表し、消費者が購入した商品から発生する二酸化炭素の排出量をカテゴリー別に把握できるようにした。

今年初め、Mastercardは、上級管理職のインセンティブ報酬を、カーボンニュートラル目標の達成に向けた進捗状況など、同社の環境・社会・ガバナンスに関する取り組みと連動させることを発表した。

【参照ページ】
(原文)Mastercard and partners advance the future of sustainable commerce
(日本語訳)Mastercardとパートナー、持続可能な商取引の未来を推進

関連記事

“CSAセミナー"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-4-2

    金融業界の95%のCO2排出は「間接的」:資金提供排出の実態

    3月6日、米信用情報大手のEquifaxが新たなブログを発表し、金融機関の温室効果ガス排出の約95…
  2. 2025-4-2

    サステナビリティの課題と機会 – 財務・ITとの連携が成功のカギ

    2月27日、ERM Sustainability Institute、Salesforce、Glo…
  3. ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    2025-4-1

    ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、20…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る