リニューアブル・メタルズ、電池リサイクル技術の商用化を加速

4月20日、リチウムイオン電池リサイクル技術を開発するリニューアブル・メタルズは、シリーズAラウンドで1200万ドルを調達したと発表した。調達額は当初目標の800万ドルを上回り、応募超過での着地となった。これにより、創業以来の累計調達額は、豪州政府および英国政府からの支援を含め3800万ドル超となった。

今回の資金調達は、Clean Energy Finance Corporation(CEFC)が主導し、ネグレクテッド・クライメート・オポチュニティーズ、クライメート・テック・パートナーズ、ヨーロピアン・メタル・リサイクリング(EMR)のほか、既存投資家も参加した。

世界のリチウムイオン電池リサイクル能力は中国に集中しており、多くの国・地域では使用済み電池が海外に輸出されて処理されている。リニューアブル・メタルズは、こうした構造に対し、各国・各地域での処理を可能にする技術の構築を目指している。重要鉱物の回収を域内で行うことで、電池廃棄物の輸出や海外精錬への依存低減につなげる考えだ。

同社によると、独自開発したアルカリベースの湿式製錬プロセスにより、使用済みリチウムイオン電池からリチウム、コバルト、ニッケル、銅、マンガンなどを回収できる。回収率は95%超としており、従来の酸ベースの手法と比べ、リチウム回収量は最大で30%多いという。加えて、コストや環境負荷の低減も見込む。

特徴の一つは、NMC、LCO、LFPなど異なる電池化学系を単一ラインで処理できる点にある。製造スクラップやブラックマス、セル、電池パックなど複数の原料形態に対応し、事前の選別や分解を必須としない設計だという。工程内で試薬や排水を再利用し、処理・廃棄コストや規制対応が課題となりやすい硫酸ナトリウムを排出しない点も強みとしている。

また、同社はモジュール型プラントの採用により、従来型施設よりも小規模での商業展開が可能になるとしている。これにより、初期の廃電池発生量が限定的な地域でも導入しやすく、市場拡大に応じて段階的に増設できる構想を描く。

電池リサイクル市場では、EV(電気自動車)普及を背景に、今後使用済み電池の発生量拡大が見込まれている。一方で、足元では地域ごとの処理インフラ整備の遅れや、輸送・精錬コスト、環境規制対応が課題となっている。リニューアブル・メタルズは、小規模分散型でも採算性を確保できる技術基盤を打ち出すことで、こうした課題への対応を狙う。

原文:Renewable Metals raises $12 million Series A to scale next-generation lithium-ion battery recycling technology


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