環境表示ガイドラインを改定、グリーンウォッシュ対策を強化

3月31日、環境省は、「環境表示ガイドライン」を改定し公表した。今回の見直しは、近年のネットゼロ対応の進展やグリーン製品市場の拡大を背景に、グリーンウォッシュへの対応強化と、適切な環境情報提供のあり方の再整理を目的としている。
※記事の末尾にパブリックコメントへの回答結果の概要を掲載している。
「5つの基本項目」を再整理、実務適用を重視
改定の中核となるのが、環境表示に関する「5つの基本項目」の見直しである。具体的には、①あいまいな表現の禁止、②説明情報の付加、③ライフサイクル全体の考慮、④検証可能性と情報アクセス性の確保、⑤比較主張の適正化、という整理が改めて明確化された。特に、「環境にやさしい」といった包括的表現については、具体的な環境改善内容を伴わない場合には不適切とされるなど、表現の具体性がより厳しく求められる。
カーボン・オフセット・ライフサイクル視点
改定では、カーボン・オフセットを含む主張については、削減と相殺の内訳、対象範囲、使用したクレジットの種類や基準など、消費者が理解可能な形での情報提供が求められる。環境主張としてカーボン・オフセットの主張を行う場合には、「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)-第4版-」や「カーボン・オフセット ガイドライン Ver.3.0」「ISO 14068-1」などの適切な国際規格に従って表示する必要がある。
また、ライフサイクル全体での環境影響の考慮も重要な論点として位置づけられた。製品の一部改善のみを強調するのではなく、資源調達から廃棄に至るまでの全体像を踏まえた評価が求められる。また、
表示管理から“説明責任”へ
実務面では、環境表示の棚卸しとあいまい表現の是正に加え、主張の根拠データを整理し説明可能性を高めることが求められる。あわせて、マーケティング・サステナビリティ・法務等を横断したガバナンス体制の構築が不可欠となる。
今回のガイドライン改定は、グリーンウォッシュの抑制と市場形成の促進を両立させるためのルール整備と位置づけられるている。サステナビリティ経営の推進や環境配慮製品・サービスの提供の中で、今後企業に求められるのは「何をしているか」に加え、「どのように伝えるか」ではないだろうか。環境表示は単なるマーケティング表現ではなく、企業の信頼性を左右する重要な経営要素へと進化していると言えるだろう。
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グリーンウォッシュの規制動向ー環境表示ガイドライン改定で何が求められるか
✅環境表示ガイドラインの改定内容と主な表示ルール
✅グリーンウォッシングの例
✅グリーンウォッシュに関連する世界の法規制
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<参考情報>パブリックコメントへの主な回答結果
| No. | 論点 | 意見の概要 | 対応方針 |
| 1 | 「あいまいな表現」や特定の用語の使用 | 「持続可能」や「サステナビリティ」といった用語が事業活動等でも使用禁止と受け取られかねないという懸念や、「あいまい」の定義を明確化すべきという意見 | ・用語の使用を禁止するものではない ・漠然とした主張や美しい自然の映像等は、単独では使用せず、必ず合理的な説明文を付けることを求める ・ガイドラインに補足説明を追記 |
| 2 | 気候変動、カーボン・オフセット | 国際的にグリーンウォッシュへの監視が強化されていることを踏まえ、実効性のない「ゼロエミッション」等の表示や、カーボン・オフセットを用いた主張に対して、EUなどの海外規制の動向を反映し、禁止等を含めた厳格な記載を求める意見が多数。 | ・本ガイドラインはISO規格への準拠を基本として国内の要求事項を示す ・海外の規制や動向は、「参考情報(別冊)」や注釈を用いて継続的に情報提供および注意喚起を行う方針 |
| 3 | ガイドラインの適用範囲(企業姿勢やイメージ広告など) | 企業姿勢等のイメージ広告も景品表示法の適用対象に含めるべきとの意見と、製品向け要求事項をそのまま適用するのは困難で注意喚起にとどめるべきとの意見があった。 | ・景品表示法の適用対象範囲の拡大はパブリックコメントの対象外 ・関係省庁と連携した取組を進める ・事業活動や企業姿勢などのイメージ広告も適用範囲に含むことを目次等で明記 ・要求事項は適用できる範囲で設定 |
| 4 | 環境主張の根拠・情報アクセス手段 | サプライヤー証明などの要求が中小企業の負担増になる懸念、二次元コードの例示が特定技術への誘導になる懸念、第三者認証を必須とすべきとの意見があった。 | ・サプライヤー証明等の運用水準は規定しておらず、今後の運用の参考とする ・二次元コードはアクセスが容易なツールの例示であり、限定するものではないと周知する ・第三者認証の義務化はパブコメ対象外 |
| 5 | 中間財・マスバランス方式 | 中間財は重量比が小さいため環境配慮素材の訴求が抑制される恐れ、マスバランス方式の主張は厳しく限定すべきとの意見があった。 | ・中間財の環境配慮表示を否定する趣旨ではない ・分母(商品全体か素材使用量か)を明確にして主張するよう求める ・マスバランス方式は、業界で定義が異なり国際的にも議論の途上であるため、改定案では「参考」としての記載にとどめる |
出典:環境省「環境表示ガイドライン」の改定案に対する意見及び対応方針」よりESG Journal作成


