経産省、脱炭素化再資源利用の新制度案を提示

7月、経済産業省は「脱炭素化再生資源利用ワーキンググループ」において、再生プラスチックの利用促進に向けた新たな制度案を公表した。対象となる製品は、容器包装、家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)、自動車の3分野である。一定規模以上の製造事業者に対して利用計画の作成や定期報告を義務づける方針が提案されている。

本制度では、製造や輸入販売を一定規模以上行う事業者に対し、再生資源の利用計画提出と年次報告が義務付けられる。たとえば容器包装では1万トン、自動車は1万台、家電は各品目で5万台が対象基準とされる。

再生プラスチックには「プレコンシューマ材」「ポストコンシューマ材」の双方が含まれ、プラスチック原料の輸入依存度やCO2排出量削減効果、国内再生材利用率の低迷(約5%)といった課題を背景に導入が検討されている。

特に、年間350万トンのプラを消費する容器包装分野では、現状でもリサイクルルートが整っているにもかかわらず再利用が進んでいない状況が課題とされる。

今後は、再生材利用に関する「判断基準」や計画様式を政省令で定め、2026年4月に改正資源有効利用促進法が施行、2027年に利用計画の提出、2028年度から年次報告が本格化する予定である。

(原文)脱炭素化再生資源利用ワーキンググループ事務局資料

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