SWENキャピタル、世界最大級の海洋インパクトファンドで1.6億ユーロを調達

6月7日、非上場責任投資のリーダーであり、海洋持続可能性に特化した投資の先駆者であるスウェン・キャピタル・パートナーズは、海洋生物多様性の再生に特化したインパクトベンチャーファンド「SWEN Blue Ocean 2」の初回資金調達として1億6,000万ユーロを調達したと発表した。

SWEN Blue Ocean 2は、過剰漁獲、海洋汚染、気候変動という海洋生態系にとって致命的な三大課題へのソリューションを提供するスタートアップに焦点を当てる。ファンド規模は最終的に3億ユーロを目指しており、今回の調達で目標額の53%を達成した。

このファンドには、欧州投資基金(EIF)やフランス2030、Bpifrance、Macif、Abeille Assurances、Matmut、Suravenir、Mutuelle de Poitiers、CPSTIなどの有力機関投資家が出資した。年金基金、保険会社、銀行、ファミリーオフィスなどからも高い関心を集めている。

スウェン・キャピタル・パートナーズ CEOのジェローム・デルマス氏は、「SWEN Blue Ocean戦略は、投資を自然のために活用するという我々の使命を体現しており、投資家としての責任を持って海洋再生に貢献できる」とコメントした。

SWEN Blue Oceanの共同マネージングディレクター、クリスチャン・リム氏も「海洋保護の重要性は増しており、我々は革新的なスタートアップを通じて、持続可能なソリューションの加速を目指している」と語る。

さらに同氏は、「ファンドは欧州を中心にシリーズAラウンドの企業へ投資するが、30%の資本は欧州以外の地域にも投資可能とし、グローバルな影響力の拡大を示唆した。

共同マネージングディレクターであるオリヴィエ・レイボー氏は、「本ファンドは、高い社会的インパクトと競争力のあるリターンの両立を目指すユニークな戦略であり、既存投資家の再参入や新規投資家の関心を集めている」と述べ、今後のスケーリングに自信を示した。

同ファンドは、1件あたり最大1,200万ユーロのリード投資を可能とし、よりインパクトの大きな案件にコミットできる体制を整えている。

スウェンは投資戦略を超え、海洋再生のためのグローバルなイノベーションエコシステムの構築にも貢献している。2021年に「1000 Ocean Start-ups」を共同設立した。これはインキュベーターやVCなどを結びつけるグローバルなネットワークで、2031年までに1,000社の変革的スタートアップの育成を目指している。

また、Ifremer、BlueInvest、ChangeNowといった他の海洋持続可能性団体とも連携し、包括的なエコシステム構築を進めている。

(原文)Swen Capital Partners Holds €160 Million First Close for World’s Largest Ocean Impact
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