
6月9日、ニューヨークを拠点にスマートビルディング向けの運用オペレーションシステムを開発するRunwiseは、シリーズBラウンドで5,500万ドル(約80億円)の資金調達を実施した。主導したのはAI分野で先端投資を展開するMenlo Venturesで、MassMutual VenturesやNuveen Real Estate、Multiplier Capital、Munich Re Venturesといった新規投資家に加え、既存投資家のSoma CapitalやFifth Wallなども参加した。今回の調達により累計資金は7,900万ドル(約110億円)に達した。
Runwiseの技術は、1960年代の技術に依存したままの既存ビルの運用を、AIとソフトウェアによって現代化し、コスト削減・安全性向上・温室効果ガス削減を同時に実現する。CEOのJeff Carletonは「今や建物を再構築するのに必要なのはレンガではなくソフトウェアだ」と語り、最短1日で導入可能なシステムの普及に意欲を示した。
本ラウンドへの投資家の関心は高く、2倍以上の応募超過となった。これにより、製品開発・チーム強化・新規市場への展開が本格化する見通しである。Menlo VenturesのパートナーであるSteve Sloaneは、「AIで物理世界を変革するプラットフォームとしてRunwiseの成長を支援する」と述べ、同社の取締役にも就任する。
現在Runwiseは全米で1万棟以上に導入されており、RelatedやEquity Residential、MTA、Port Authorityなど1,000以上の顧客を抱える。導入建物ではすでに1億ドル超のエネルギーコスト削減を達成している。First Service Residentialのエネルギー管理責任者John Skipperは「導入ビルの多くで最大30%の省エネを実現し、居住性と管理の効率も向上した」と高く評価した。
(原文)Runwise Raises $55M to Scale the Smart Operating System for Buildings
(日本語参考訳)Runwise、ビル向けスマートオペレーティングシステムの拡張に向けて5,500万ドルを調達