企業は気候変動に対して緊急に行動を起こさなくてはならない|EY発表

11月12日、EYの2024年「Global Climate Action Barometer」を発表し、気候関連開示が改善しているにもかかわらず、企業が気候変動への対応を加速させる必要があることを強調した。

主要ポイント

  • 気候関連開示の質は54%、カバレッジは94%に達したが、気候危機を回避するための成長速度には及んでいない。
  • 物理的リスクを認識している企業は多いものの、これに対応する計画を採用している企業はわずか19%。
  • パリ協定の目標達成には、企業が迅速かつ意味のある行動を取る必要がある。

2024年のバロメーターによると、大企業の41%しか気候変動緩和のための移行計画を公開しておらず、長期的な温室効果ガス削減目標を設定している企業は51%にとどまる。また、36%の企業のみが財務諸表で気候関連の財務的影響を参照している。

開示の進展と課題

2018年から2024年にかけて、気候関連開示のカバレッジは61%から94%へと大幅に改善。しかし、開示の質は依然として54%にとどまり、情報の深さや一貫性に課題が残る。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の勧告に基づく11の推奨事項を全て実施した場合の最大スコアに対する割合で質が評価された。

企業が詳細な気候開示を避ける理由には、商業的機密の保持、グリーンウォッシングへの懸念、または戦略未達成による訴訟リスクなどが挙げられる。また、単に行動が不十分である場合もある。

【参照ページ】
(原文)How will climate transition planning empower you to shape the future?
(日本語参考訳)気候変動計画は将来をどのように形作るのでしょうか?

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る