DOE、小型モジュール炉(SMR)技術の支援で最大9億ドルの資金提供

10月16日、米国エネルギー省(DOE)はバイデン=ハリス政権の「Investing in America」アジェンダの一環として、小型モジュール炉(SMR)技術の国内導入を支援するために最大9億ドルの資金提供の申請を開始した。安全かつ責任ある先進的な炉技術の導入を促進し、気候目標達成とクリーンで信頼性の高い手頃な電力の需要に応えることを目的としている。

DOEは、2050年までにネットゼロ排出を達成するために、約700〜900GWのクリーン電力生成能力が必要と見込んでいる。2023年には、原子力エネルギーがアメリカのカーボンフリー電力のほぼ半分を供給しており、現在の原子炉の寿命を延ばすための計画が進んでいる。SMRは、発電・熱利用・淡水化など多様な用途に使用でき、モジュール性が高く、工場スタイルの建設が可能であり、需要に応じた拡張が容易である。

2024年の統合歳出法に基づき、DOEは2つの資金提供の tier を設ける。Tier 1では、クリーンエネルギー実証局(OCED)が管理し、最初の2つのチームに最大8億ドルを提供する。これには、電力会社・炉技術供給業者・建設業者・エンドユーザーが含まれ、プロジェクトに設計段階からの安全性とセキュリティを組み込む機会が与えられる。Tier 2は、原子力局(NE)が管理し、最大1億ドルの資金を提供し、デザイン・ライセンス・サプライヤー開発・サイト準備などの国内原子力産業のギャップを解消することを目的としている。

【参照ページ】
(原文)Biden-Harris Administration Announces $900 Million to Build and Deploy Next-generation Nuclear Technologies
(日本語参考訳)バイデン・ハリス政権、次世代核技術の構築と導入に9億ドルを発表

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-4-2

    金融業界の95%のCO2排出は「間接的」:資金提供排出の実態

    3月6日、米信用情報大手のEquifaxが新たなブログを発表し、金融機関の温室効果ガス排出の約95…
  2. ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    2025-4-1

    ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、20…
  3. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る