2月7日、欧州理事会議長と欧州議会は、欧州のための戦略的技術プラットフォーム(STEP)に関する暫定合意に達した。
同プラットフォームは、重要技術におけるEUの主権と長期的競争力の強化を全体的な目的として、デジタル技術、ディープテック、クリーンテック、バイオテクノロジー分野への投資を動員する。財政的インセンティブとプロジェクト資金調達の促進策を組み合わせることにより、結束政策基金、インベストEU、ホライゾン・ヨーロッパ、欧州防衛基金、イノベーション基金、復興・強靭化ファシリティーなど、既存のEUプログラムおよび基金による重要技術支援のための資金を活用。防衛投資能力を強化するため、欧州防衛基金に15億ユーロ(約2,500億円)が追加的に割り当てられる。
交渉中、両者はSTEPの対象となる投資の範囲を明確にした。加盟国間の相違を考慮し、欧州委員会が提案したように、重要技術のバリューチェーン全体および関連サービスへの支援を確保することで合意。
欧州委員会は、STEPの投資目的のために、技術をどのように重要技術として評価するかについての指針を出すよう求められている。
STEPのもとでは、STEPの目標に貢献するプロジェクトに対し、EUの資金調達や他の投資の誘致に役立つ品質ラベルとして、主権シールが授与される。また、STEP関連プロジェクトの資金調達機会をワンストップで提供する「主権ポータル」も設置される。
STEPの重要な要素は、結束政策資金を重要技術への投資に振り向けるための財政的インセンティブである。これは、すべての加盟国の能力開発を支援し、単一市場における重要技術への投資の公平な競争の場に貢献する。本目的のため、2021年から2027年のプログラム期間中のSTEP優先課題には、100%の協調融資率と30%の事前融資率が適用される。大企業への投資も可能である。
結束政策基金によるSTEPの導入をさらに促進するため、両者はまた、欧州地域開発基金(30%)と結束基金(37%)の気候変動目標達成に向け、一方の基金の「余剰プロジェクト」を他方の基金の目標に算入する柔軟性を加盟国に与えた。同時に、欧州地域開発基金(European Regional Development Fund)からのステップ投資(STEP Investment)には、20%の上限が適用される。
加盟国は、中間レビューのスケジュール内で2025年のさらなる修正に加え、早ければ今年中にSTEP関連プロジェクトに対する事前融資を受けることを視野に入れ、迅速な手続きにより2024年にプログラム、ひいてはパートナーシップ協定を修正する可能性がある。