12月1日、アラブ首長国連邦(UAE)は、脆弱な国々の気候変動に対するレジリエンスを支援するために2億ドル(約300億円)を拠出することを発表した。
世界気候行動サミット(WCAS)で発表された本誓約は、2023年初めにマラケシュで行われた低所得国の開発支援のための2億ドル(約300億円)の誓約に続くものである。
本誓約は、国際通貨基金(IMF)のレジリエンス&サステナビリティ・トラスト(RST)に誓約された特別引出権(SDR)の形で行われる。RSTは、IMFが保有する信託で、気候レジリエンスとパンデミック対策に長期譲許的資金を提供する。RSTは、中低所得国や気候変動の影響を受けやすい国々における気候レジリエンスを支援する。
SDRは、米ドル、ユーロ、中国人民元、日本円、英ポンドの5つの通貨バスケットに対して固定された安定資産であり、IMF加盟国は必要に応じて自由に使用できる通貨と交換することが可能。RSTは、長期的な気候変動リスクに立ち向かう中低・中所得経済国や脆弱国を支援する必要性への対応として、2022年に設立された。
譲許的融資とは、借り手が債券市場で得るよりも有利な条件で融資を受けることを意味する。これは、融資が低金利(市場金利を下回る)であるか、融資を受ける側に猶予期間や返済猶予が与えられるかのいずれかの条件に関するものである。
低所得国、中所得国、小島嶼開発途上国(SIDS)を含め、IMF加盟国の約4分の3がRST融資の対象となる。現在、RSTには400億ドル(約5.5兆円)を超えるSDR拠出約束が寄せられており、これまでに11カ国が融資先として承認されている。
【参照ページ】
(原文)UAE PLEDGES USD 200M TO HELP LOW-INCOME AND VULNERABLE COUNTRIES FIGHT CLIMATE CHANGE
(日本語参考訳)UAE、低所得・脆弱国の気候変動対策に300億円を拠出