10月2日、世界的な食品・飲料企業であるネスレは、ネスカフェブランドのサプライチェーンにおける零細農家に天候保険を提供する試験的プログラムを開始すると発表した。ネスレは、気候変動がコーヒー生産地を圧迫し、零細農家が天候不順による農作物への影響リスクにさらされている中、新しいプログラムを開始すると発表した。
新プログラムは、予測不可能な天候パターンに対処するため、農家に金銭的な保護を提供することを目的としており、衛星に基づく気候データを利用して、主要な作物サイクルの段階において、コーヒーの生産高が降雨量の多さや少なさによって影響を受けたかどうかを判断し、影響を受けた農家に対し、天候の厳しさに応じて自動的に支払いを行う。
気候保険の専門家であるBlue Marbleと共同で開始されたこ本プログラムは、インドネシアの800以上の零細コーヒー農家を対象に試験的に実施されている。ネスレは、本プログラムの結果に基づき、この取り組みを他のネスカフェの調達地に拡大するかどうかを決定すると述べた。
ネスレによると、新プログラムはネスカフェ・プラン2030の重要な一部である。昨年開始された本計画は、コーヒー栽培の持続可能性を向上させ、農家が再生可能な農業に移行するのを支援するためのコーヒーブランドの戦略を概説している。同計画の取り組みには、農家への研修、技術支援、高収量コーヒーの苗木の提供、農家と協力して複数の再生農業の実践を試験、学習、評価することなどが含まれる。
本計画のイニシアティブは、ブラジル、ベトナム、メキシコ、コロンビア、コートジボワール、インドネシア、ホンジュラスを含む国々に焦点を当てており、これらはネスレブランドのコーヒー調達の90%を占めている。ネスレは、ネスカフェ計画に2030年までに10億スイスフラン(10億米ドル)以上を投資すると発表した。
【参照ページ】
(原文)Making coffee farming more resilient: Nestlé enters partnership to provide farmers with weather insurance and contributes to new regenerative agriculture guidebook
(日本語参考訳)ネスレ、コーヒー農家に気候リスク保険を提供するプログラムを開始