環境省、温対法施行令を一部改正。算定方法を見直し

8月29日、環境省は、「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)施行令の一部を改正する政令」を閣議決定した。事業者が事業所管大臣に報告する「温室効果ガス算定排出量」と「調整後温室効果ガス排出量」の算定方法を一部修正した。

本改正では、GHGプロトコルのスコープ2に相当する都市ガス及び熱の使用に伴う排出係数を、業界平均の係数ではなく、都市ガスや熱の供給事業者毎の係数を用いることを原則とした。企業と地方自治体の双方が対象となる。電気と同様に、環境省と経済産業省が合同で各供給事業者の排出係数を公表していく運用を目的としている。

また、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、六フッ素硫黄、三フッ素硫黄の係数に関しても改正を施行。2007年に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表した係数から、2013年にIPCCが示した係数に変更する。

廃棄物の燃料利用については、エネルギー起源のCO2排出量に位置づけられ、水素の生産でのCO2排出量も報告対象となる。

【参照ページ】
「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令の一部を改正する政令」の閣議決定について

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