FAIRR、気候・自然目標達成のため2030年までにG20の食料補助金改革を要求 

FAIRR、気候・自然目標達成のため2030年までにG20の食料補助金改革を要求 

8月22日、総資産7.3兆ドル(約1,075兆円)を代表する投資家連合FAIRRは、G20財務大臣に対し、2030年までに農業支援を気候・自然目標に整合させるよう求める声明に署名した。

リーガル&ジェネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)やBNPパリバを含む32の投資家が支持する本声明は、2050年までにネット・ゼロに移行し、自然を保護・回復するという政府・多国間・民間セクターの公約に沿うよう、農業補助金の再利用を求めている。補助金改革は、長期的な視野で投資を行う投資家にとって不可欠であり、気候変動と生物多様性の損失はポートフォリオのシステミック・リスクとなる。

補助金やその他のインセンティブは、世界全体の農業生産額の約15%を占めており、温室効果ガスを大量に排出する農産物の過剰生産と過剰消費を助長している。例えば、EUの農業補助金は、EUの農業排出量の50%を占めているにもかかわらず、畜産が20%近くを占めている。

国連は、価格歪曲や環境的・社会的に有害な年間約4,700億ドル(約70兆円)の補助金を特定しており、これは全世界の農業補助金の87%に相当する。補助金制度は、自然へのダメージを通じて、年間40億〜60億ドルの経済コストを引き起こしていると推定されている。

例えば、EUの共通農業政策(CAP)は、EU予算全体の3分の1を占めている。しかし、欧州監査院は、気候変動緩和と適応のために1000億ユーロ(約15兆円)の特別予算が計上されているにもかかわらず、2010年以降、排出量削減がほとんど進んでいないことを明らかにした。

声明は、G20財務相に対し、補助金改革のために4つの実際的な措置を講じるよう求めている。

  • 財政支援と環境保護の義務をリンク
  • 現在のインセンティブを気候や自然を破壊する農産物の生産からシフト、代わりに持続可能な農業に価値を置く農産物にインセンティブを付与
  • 乳製品や赤肉など、温室効果ガス排出量の多い農産物の生産から補助金をシフト
  • 労働者への資金援助を増加し、公正な移行を確保

【参照ページ】
(原文)$7.3 Trillion Investor Coalition Calls for G20 Food Subsidy Reform by 2030 to Meet Climate and Nature Goals
(日本語訳)1,000兆円超の投資家連合、気候・自然目標達成のため2030年までにG20の食料補助金改革を要求 

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