英国環境相、気候に関する政府の「無関心」を理由に辞任

英国環境相、気候に関する政府の「無関心」を理由に辞任

6月30日、英国外務省のザック・ゴールドスミス海外領土・英連邦・エネルギー・気候・環境担当大臣は辞任を表明し、リシ・スナク首相が気候変動や環境問題への政府の取り組みに「無関心」であることを痛烈に非難した。

辞表の中でゴールドスミス氏は、ここ数年の環境・気候問題への取り組みにおける英国のリーダーシップを賞賛し、特に2021年に英国が主催したCOP26気候変動会議、2030年までに世界の陸地と海洋の30%を保護するという昨年の国際合意やプラスチック汚染に関する世界条約の制定に向けた取り組みに多大な影響を与えたことを強調した。

しかし、スナク首相のもとで「少しずつこれらの約束を放棄してきたことに愕然としている」と述べ、英国は世界の舞台から目に見えて降り、気候や自然に対するリーダーシップを撤回したと付け加えた。書簡の中で具体的に批判されているのは、首相が今月初めにパリで開催された「極めて重要な環境サミット」(「新金融協定サミット」を指している)に出席しなかったことである。また、「我々の援助116億ポンド(約2.1兆円)を気候変動と環境のために使うという公約」を事実上放棄したことに関して、「政府が公約違反について白状する必要がない唯一の理由は、支出の最終年度が次の総選挙の後にあたるため、この政府ではなく次の政府の問題になるからだ」と述べている。

ゴールドスミス氏の辞任は、下院でボリス・ジョンソン氏の「パーティーゲート」調査に干渉した議員・貴族グループの一員として、特権委員会が発表した特別報告書での非難を受けた翌日に発表された。辞表の中で委員会の調査結果には一切言及しておらず、スナク首相が気候変動関連の活動に関心を持っていないことだけを言及した。

【参考ページ】
Sunak Slammed Over Environment as UK Climate Minister Quits

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