不動産ESGデータプロバイダーDeepki、炭素計測プラットフォームNoocoを買収

不動産ESGデータプロバイダーDeepkiが炭素計測プラットフォームNoocoを買収

5月25日、不動産サステナビリティデータソリューションプロバイダーのDeepkiは、組み込み型炭素測定スタートアップのNoocoを買収したことを発表した。

パリに拠点を置くNoocoは、フランスのエネルギーサービス・インフラ企業であるVINCI Energiesによって2020年に立ち上げられた。同社は、建物の建設や改修プロジェクトにおけるカーボンフットプリントの測定と最適化に焦点を当てたSoftware as a Service(SaaS)ソリューションを提供している。同社のソリューションは、3,000種類以上の技術設備や材料の炭素影響データを統合しており、ユーザーはそれぞれの影響を比較し、プロジェクトの炭素フットプリントを計算することができるようになっている。

Noocoの創業者であるGuillaume Jarlotは、今回の買収により、同社のプラットフォームをさらに発展させ、2024年には他の欧州市場にも進出する予定であると述べている。

2014年に設立されたDeepkiは、不動産プレーヤーがエネルギー、水、廃棄物の消費データを収集し、データインテリジェンスを利用して資産の環境パフォーマンスを向上させ、ネット・ゼロへの取り組みを支援し、結果を測定できるプラットフォームを提供している。同社は2022年に1億5,000万ユーロ(約209億円)を調達し、その資金で補完的な技術を提供するプロバイダーを含む戦略的買収を行った。

Deepkiによると、Noocoの買収により、建物のライフサイクル全体をカバーするサービスが拡充され、建物の使用段階に焦点を当てた自社のツールに、建設・改修に焦点を当てたソリューションが追加される。

【参考ページ】
(原文)Deepki acquires Nooco, VINCI Energies’ subsidiary specialized in embedded carbon measurement…
(日本語参考訳)Deepki、VINCI Energiesの炭素計測専門子会社Noocoを買収…

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る