5月10日、産業用製品、ソリューション、テクノロジー企業のHoneywellは、回収したCO2から持続可能な航空燃料(SAF)を大規模に製造することを目的とした新しい処理ソリューション、「UOP eFiningテクノロジー」の提供を発表した。
また、新技術の最初の顧客としてHIF Globalを発表し、本ソリューションは世界最大のeFuels SAF施設に導入されることとなった。
SAFは、現在、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の2~3%を占める航空産業の脱炭素化を支援する重要な手段のひとつと考えられている。SAFは一般的に、廃油や農業残渣などの持続可能な資源から製造され、現在の化石ベースのジェット燃料に比べ、排出量を大幅に削減することが可能である。
航空会社が気候変動対策の重要なソリューションの一つとしてSAFを採用し、各国政府が脱炭素化を目指すためにSAFの使用を義務付け始めたことで、今後数年間でSAFの需要は劇的に増加すると予想される。例えば、先月、欧州議会とEU理事会の議員たちは、EUの空港で使用する燃料に占めるSAFの割合を2050年までに70%まで引き上げることを義務付ける新しい規則について合意した。
eFuels(電気燃料)は、再生可能エネルギーと水を使って生産されるCO2とグリーン水素を利用してeメタノールを生産し、eSAF、eGasoline、eDieselなどの燃料に変換することにより、これらの原料に関する問題を解決する。
Honeywellによると、eメタノールをeSAFに変換する新技術は、従来のジェット燃料と比較して、温室効果ガスの排出を88%削減することができる。eSAFは、航空機の技術や燃料インフラに変更を加えることなく、ドロップインの代替燃料として使用することが可能である。
HIF Globalの新施設は、同社にとって2番目のeFuels施設となる。HIFによると、同施設では、約200万トンのCO2を回収してリサイクルし、年間1億8000万ガロンのSAFを生産することが期待されている。
【参照ページ】
(原文)Honeywell Introduces UOP eFining™ Technology For New Class Of Sustainable Aviation Fuel
(日本語参考訳)Honeywell、CO2を持続可能な航空燃料に変換する技術を提供開始