3月27日、国連グローバル・コンパクトは、参加企業が「10原則」に対するギャップを特定し、目標を設定し、進捗状況を把握するための新しい「進捗状況報告(CoP)」を発表した。CoPは、国連グローバル・コンパクトの主要な報告・説明責任メカニズムで、すでに1,000社が早期導入プログラムに参加している。
新しいCoPは以下のような構成になっている。
- 国連グローバル・コンパクトの「10原則」に対する企業の継続的なコミットメントを最高レベルで公言する「CEOの継続的支持声明」。本声明は、新しいCoPデジタルプラットフォーム上で電子的に署名される標準化されたテンプレートである。
- 5つの開示分野(ガバナンス、人権、労働、環境、腐敗防止)に焦点を当てた標準化されたCoPアンケート。企業が「10原則」全体のパフォーマンスをモニターできるよう設計されている。
- 参加企業がオンラインアンケートに回答し、データを可視化することで、現在のパフォーマンスと長期的な進捗を把握することができる新しいデジタルプラットフォーム。
- 参加企業が提出したデータに関係者が自由にアクセスし、ダウンロードできる公開データベース。
- 国連グローバル・コンパクト本部とローカル・ネットワークが提供するリソース、関連イニシアティブ、サポートへのリンクにより、企業の学びを支援する。
本プラットフォームは、技術的な支援、リソース、ガイダンスを各段階で提供し、参加企業がサステナビリティ・パフォーマンスを毎年改善するためのギャップを特定し、目標を設定することを支援する。また、プラットフォームでは、無料で公開され、比較可能な企業のサステナビリティに関する最大級のデータソースにアクセスすることで、企業は同業他社との進捗状況を比較できる。
企業は、国連グローバル・コンパクトの「アクティブ」ステータスを維持するために、毎年3月から6月の普遍的な提出期間(2023年は3月27日から6月30日)にCoPを完成させて提出する必要がある。
共通提出期間にCoPを完成・提出しなかった場合、企業は「非コミュニケーション」ステータスとなり、その名前とステータスが公開される。このステータスは、毎年7月1日から12月31日の間にCoPを提出することで「アクティブ」に戻すことができる。
「非コミュニケーション」企業が12月31日までにCoPを提出しなかった場合、翌暦年の1月に「コミュニケーションに失敗した」として国連グローバル・コンパクトから上場廃止となる予定。上場廃止になった企業は、公的に表示される。
【参照ページ】
(原文)UN Global Compact launches new tool to strengthen commitment to sustainable business practices
(日本語参考訳)国連グローバル・コンパクト、持続可能なビジネス慣行へのコミットメントを強化する新ツールを提供開始