2月7日、米国証券取引委員会(SEC)は、2023年にESG投資を審査部門の優先分野とし、投資顧問会社や投資会社を含む市場参加者の監視と重点審査を行う指針を示すと発表した。
ESGの問題は、2021年に発表されたリスクアラートを受けて、昨年、同部門の優先リストに加えられた。その際、ESGアプローチに関する開示と一致しないポートフォリオ管理の実践、ESG関連の委任状投票の主張と実際の実践との不整合、企業が表明したESGフレームワークの遵守に対応していない遵守プログラム、さらには、マーケティング資料がESG投資のリスクと収益の特性に関して根拠のない、あるいは誤解を招く可能性のある主張をしていた事例など、いくつかの潜在的ESG関連の問題領域が明らかになったと指摘された。
同部門は、今年の「審査優先事項」の中で、ESG投資への注目は、投資アドバイザーやファンドが、ESG関連の投資や戦略に対する投資家の需要の高まりに対抗し、これらの戦略や投資を採用した商品の提供を拡大していることに起因すると指摘している。
同部門によると、審査はESG関連のアドバイザリーサービスやファンドの提供に焦点を当て、ファンドが開示内容通りに運営されているかどうかを評価するとしている。SECは昨年、ESGファンドの名称や、ESG要素を投資商品に組み込んでいると主張するファンドやアドバイザーの情報開示に関する規則案を発表しており、ESG商品が適切に表示されているかどうかも審査の対象となる。また、個人投資家に対するESG商品の推奨が、投資家の最善の利益のために行われているかどうかも審査の対象となる。
【参照ページ】
(原文)SEC Division of Examinations Announces 2023 Priorities
(日本語参考訳)SEC、投資顧問やファンドのESG投資の実践を調査へ