Aviva Investors、ポートフォリオ企業に気候変動対策や自然に関する報告書を要請

Aviva Investors、ポートフォリオ企業に気候変動対策や自然に関する報告書を要請

2月6日、Aviva Investorsは、ポートフォリオ企業に対して、脱炭素化に向けた気候変動計画の公表や、自然関連のリスクと機会に関する開示の準備など、サステナビリティに焦点を当てた一連の期待事項を概説した。

これらの期待事項は、Aviva InvestorsのCEOマーク・ヴァージーの会長宛年次書簡で発表された。総資産2,320億ポンド(約3,970億円)の資産運用会社における次年度のスチュワードシップ優先事項が示されている。ヴァージーは同書簡の冒頭で、ウクライナ戦争や長引くパンデミックの影響によって企業が直面している政治的、社会的、経済的混乱を認識しつつ、こうした要因への「戦術的対応」によって長期的なサステナビリティ目標を実現することの重要性を強調している。

書簡によると、Aviva Investorsのスチュワードシップ活動を形成する3つの優先事項は、生活費の危機への取り組み、低炭素経済への移行、自然の喪失の回復である。

また、取締役会には、すべての労働者への生活賃金の支払いを約束する、最も弱い立場の労働者への追加の経済的支援を検討する、高いインフレが実質賃金に与える影響に対処するために組合と協力する、人権を擁護する、一般労働者より低い水準で役員給与を引き上げる、脆弱な顧客支援のための行動を取ることが奨励されている。

気候変動に関しては、全ての企業に対して、「社会的に公正かつ包括的な方法で経済の脱炭素化を支援する、強固で財政的に実現可能な気候変動対策」の公表を求めている。企業は、「英国移行計画タスクフォース開示フレームワーク」の主要な構成要素に焦点を当てることが推奨されている。これには、計画がビジネスモデルや企業の財務状況に与える主要な影響を説明するガイダンス、役員や上級管理職のインセンティブ報酬への気候変動目標の組み込み、バリューチェーンの脱炭素化を推進するための顧客、サプライヤー、パートナーの関与戦略、企業の政府関与活動と気候変動に関する公約の整合性などが含まれている。

本書簡は、今年発表される予定の自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フレームワークを活用し、「合理的な時間枠内」での報告を企業に期待するものである。同フレームワークの主要な構成要素は、優先的な課題と地域の決定に役立つように、各生態系に対する企業のバリューチェーンの位置をマッピングし、関連するリスク・機会・潜在的な行動とともに、自然に対する事業の依存性と影響を評価し、事業の自然に対する影響を低減し逆転するための短期・中期・長期目標および行動計画を含む包括的な生物多様性戦略を定義することを含んでいる。

【参照ページ】
(原文)Every January, we send a letter to the chairs of companies we invest in (and some we don’t, but still want to influence) to set out our stewardship priorities for the year. Here, in full, is our 2023 letter.
(日本語参考訳)Aviva Investors、ポートフォリオ企業に気候変動対策や自然に関する報告書を要請

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る