英国・財務報告評議会、ESG開示分野への注力を強化

FRC、「ESG Statement of Intent」を公開

1月30日、英国の規制機関である財務報告評議会(FRC)は、ESG報告に関する主要な課題として特定した領域と、ESGデータの利用・伝達方法、企業がステークホルダーにとってどの問題が重要であるかを評価する方法に焦点を当てた、これらの領域に対応するアクションの概要を示す「ESG Statement of Intent」を公開した。

本発表は、2021年にFRCが発表した最初のESG意思表明に続くもので、ESG情報の作成、監査・保証、流通、消費、監督、規制に関する根本的な問題に対処するためのESGに焦点を当てた複数の取り組みが開始され、また最近では、FRC全体の諮問機関であるFRC ESG Groupが、ESG課題への対応とステークホルダーニーズへの応答に焦点を合わせて設立されている。

この声明では、FRCが2023年に取り組む幅広い分野の概要を示しており、ESGデータの配布と消費に関するガイダンスとベストプラクティスの開発、企業の重要性プロセスの調査、企業がステークホルダーに適切で意思決定に有用な情報を確実に提供するための強化策の検討などが含まれている。

FRCは、財務報告作成者のための気候関連リスクに関するガイダンスを更新し、保険数理人が気候やその他のESG関連リスクを考慮するための要件を導入し、ESG報告の重要性の高まりを認識するためにコーポレートガバナンスコードを改訂すると発表している。

監査面では、FRCは、監査品質検査プロ グラムにおいて、監査済み財務諸表と 年次報告書の気候関連開示との関連 性を含む気候関連リスクに関する業務 に特に注意を払うと述べている。

【参照ページ】
(原文)FRC updates 2021 Statement of Intent on ESG
(日本語参考訳)FRCは、2021年のESGに関する意向表明を更新。

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  3. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る