1月12日、国際環境NGO世界自然保護基金(WWF)の銀行サステナブルファイアンス評価プログラム「Sustainable Banking Assessment(SUSBA)」は、日本、韓国、ASEAN6ヶ国の合計46銀行の状況を評価した2022年度結果を発表した。
本報告書によると、2050年までにネット・ゼロ・ファイナンス排出量を達成することを約束したアジアの銀行は、2021年の7銀行(15%)から2022年には18銀行(39%)に増加したとのことだ。しかし、本報告書では、大手銀行は環境・社会リスク管理の方針とプロセスの強化を続けているものの、評価対象となった銀行の半数は2021年以降ほとんど進展していないことも判明している。
同様に、自然関連リスクに関しても、銀行は認識とコミットメントを超え、方針の中でこれらのリスクを管理する能力を拡大する必要がある。報告書では、銀行のサステナビリティ戦略、ステークホルダー・エンゲージメント、環境・社会問題に関する公表、顧客に対するリスク評価、スタッフのサステナビリティ研修、目標の開示など、多岐にわたって評価を行っている。
評価対象となった46銀行のうち、11銀行がパーム油政策を開示しており、3銀行しか報告していなかった2021年から改善されている。
一方、世界の温室効果ガス排出量の4分の3を占めるエネルギー分野では、規制当局の現在のインセンティブに関わらず、より多くの銀行がエネルギーポートフォリオの転換に向け、科学的根拠に基づく目標を設定する必要性が強調された。WWFシンガポールによると、評価対象となった国々の規制当局のほとんどは、銀行に対して科学的根拠に基づく目標の設定や移行計画の策定をまだ求めていないことが明らかになった。
【参照ページ】
(原文)WWF-Singapore’s Sustainable Banking Assessment 2022 finds that despite increasing net-zero commitments, Asian banks also need to focus on nature-related risks
(日本語参考訳)WWFシンガポールの「持続可能な銀行評価2022」によると、ネットゼロへの取り組みが増える一方で、アジアの銀行も自然関連リスクに注目する必要があることが明らかになりました。