8月16日、サステナビリティの非営利団体であるCeresは、米国証券取引委員会(SEC)が提案した、ESG指向のファンドの急成長に伴う混乱やグリーンウォッシュの懸念に対処し、保護を強化することを目的とした規則案を支持するコメントを提出した。
近年、気候変動やESG投資に対する投資家の需要は非常に高まっている。この需要に応えるため、資産運用会社は様々な新しい投資商品を打ち出している。この爆発的な成長により、ESG要素を考慮したファンドが誇張されているとの指摘(グリーンウォッシュと呼ばれる現象)もあり、世間では大きな論争が起きている。
1つ目の提案である「環境、社会、ガバナンスの投資慣行に関する特定の投資顧問および投資会社による開示の強化」は、米国の投資会社および投資顧問に対して、ESG基準を使用しているかどうかを明記し、基準を設けている場合はその基準を満たす方法を示すデータを開示することを求めている。2つ目の提案である「投資会社名」は、ファンド名がその構成を反映していることを投資家がより確信できるよう、ファンド名のルールを強化するものだ。
Ceresはコメントレターの中で、資産運用会社がこれらの規則の効果を低下させることなく遵守しやすくするための変更を推奨している。また、開示強化規則の中には、SECが個別の規則制定において、これらの開示要件を他の種類のファンドに拡大することを望む可能性がある箇所もある。 Ceresは、米国の投資家を保護するというSECの確立された使命にぴったりと当てはまるこれらの提案について、SECを称賛している。
米国でサステナブルマンデートで運用される資産は、2020年に17兆ドル(約2400兆円)超に拡大した。このような資産配分の変化は、ESG要素が長期的な投資パフォーマンスの重要なドライバーであるという理解が広まっている証拠だ。11,000以上のミューチュアルファンドとETFを分析した結果、ESGの基準を取り入れたファンドは、従来のファンドと同等の財務リターンを提供し、ダウンサイドリスクが少ないことが明らかになった。