6月2日、先進的なプラスチックリサイクル企業であるNovoloop(以下ノボループ)は、今年初めに発表したシリーズA資金調達の1,100万ドル(約14億円)から拡大し、2,100万ドル(約27億円)を調達したと発表した。本資金は、リサイクルされないことが多いプラスチックを高性能な化学物質や材料に変える同社の「アップサイクル」プロセス技術の商業化の規模を拡大するために使用される。
ノボループ は、共同創業者のJeanny YaoとMiranda Wangによって2015年に立ち上げられた。同社は、ポリエチレンを分解して新しい製品に合成できる化学構成要素にするプロセス技術ATOD(Accelerated Thermal Oxidative Decomposition)によって、プラスチック廃棄物を化学物質や材料に変える先駆的な存在となっている。ATODは、一般的なプラスチック廃棄物に含まれる炭素をアップサイクルすることができる。このような廃棄物は通常、材料回収施設で回収・販売するには価値が低すぎるため、焼却や埋め立てに回される。
今回の資金調達ラウンドは、インパクト重視の起業家コミュニティであるMistletoe Singaporeと、エネルギーソリューションおよび材料企業のHanwha Solutionsが主導した。
ノボループのATODプロセスに基づく最初の製品は、靴、アパレル、スポーツ用品、自動車、電子機器などの高性能用途に使用できる熱可塑性ポリウレタン(TPU)、Oistre(オイスター)である。今回の資金調達により、同社はパイロット生産の規模を拡大し、これらの分野の顧客が同製品をより容易に利用できるようにするという。
また、ノボループは、材料回収源から出る消費者使用後のプラスチック廃棄物の品質を評価するために、原料前処理装置を設置する計画もあると述べている。
【参照ページ】
(原文)Novoloop Extends Series A Round To $21M
(日本語訳)Novoloop、シリーズAラウンドを2100万ドルに拡大