米・韓両大統領、首脳会談を開催 「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を通じ相互協力に合意
5月21日、尹淑烈(ユン・ソクヨル)大統領は、バイデン大統領を大韓民国に迎え、韓国大統領の任期中、最も早い米国大統領との面会を実現した。気候変動やCOVID-19の大流行など実存的な課題に直面し、ロシアのウクライナに対するさらなる侵略を筆頭に、規則に基づく国際秩序に対する脅威が増大する中、韓国と米国は政治、経済、安全保障、人と人とのつながりを深め、拡大する共通の決意で結ばれている。
首脳会談において、ユン大統領は、気候変動やCOVID-19の大流行など、ますます複雑化する世界の課題に直面し、インド太平洋地域とそれ以外の地域における自由、平和、繁栄を推進するための役割を強化することを想定した、韓国のグローバル枢要国家に向けた構想を発表した。両大統領は、民主主義とルールに基づく国際秩序の促進、腐敗との戦い、人権の推進という共通の価値観にしっかりと根ざしたグローバルな包括的戦略同盟へのコミットメントを再確認した。バイデン大統領は、より大きな地域的・世界的責任を受け入れるというユン大統領のイニシアティブを評価し、韓国が民主化サミットのプロセスにおいて指導的役割を果たすことを熱烈に歓迎した。
また、気候変動がもたらす現実的な脅威を認識し、2030年の温室効果ガス削減目標や2050年のネットゼロエミッション目標などパリ協定の下で発表した国別貢献へのコミットメントを再確認し、部門間の政策の整合に向けた強力な努力を行うとした。両大統領はまた,グローバル・メタン・プレッジの重要性及びメタンに対処するために必要な迅速な世界的行動を認識し,世界的にメタン排出に対処するために協力を強化することに合意した。水素、クリーンシップ、ゼロ・エミッション車(ZEV)の加速的展開、2050年までの世界のネット・ゼロ・エミッションと2020年代の大幅削減のための国際資金の流れの調整といったクリーンエネルギー分野での協力を強化する。
両大統領は、繁栄と平和をもたらす、自由で開かれたインド太平洋を維持することの重要性を認識し、この地域全体における相互協力の強化に合意した。この点で、バイデン大統領は、韓国独自のインド太平洋戦略の枠組みを策定するユン大統領のイニシアティブへの支持を共有している。ユン大統領はまた、米国のインド太平洋戦略を歓迎した。両大統領は、開放性、透明性、包括性の原則に基づき、インド太平洋経済フレームワーク(IPEF)を通じて緊密に協力することを約束する。両首脳は、デジタル経済、強靭なサプライチェーン、クリーンエネルギー、その他持続可能な経済成長の促進に向けた優先課題に関する経済的関与を深める包括的なIPEFを開発するために協力関係を強めることに合意した。
加えて、両大統領はASEANの中心性とインド太平洋に関するASEAN Outlookへの強い支持を再確認する。両大統領は,持続可能な開発,エネルギー安全保障,質の高いインフラを含む高品質で透明性のある投資を促進するため,東南アジア及び太平洋島嶼国との協力を強化することにコミットする。バイデン大統領は,ユン大統領のクアッドへの関心を歓迎し,パンデミックへの取り組み,気候変動との戦い,重要技術の生産など,韓国の強みを補完することに言及した。両大統領は、共通の経済的課題に効果的に対処するための韓米日3ヵ国協力の重要性を強調している。
【参照ページ】
(原文)United States-Republic of Korea Leaders’ Joint Statement
(日本語訳)米・韓両大統領、首脳会談を開催 「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を通じ相互協力に合意