4月29日、プロフェッショナルサービス企業のKPMGは、ESG戦略、コミットメント、進捗状況をまとめた第1回「インパクト・プラン」を発表した。本報告書は、同社がこれまで行ってきた報告書作成の取り組みをまとめたもので、2030年までに排出量ゼロを達成すること、2025年までに報告対象経費の30%を多様なサプライヤーに投資することなどの新たな目標やコミットメントが含まれている。
また、KPMG USは、社会的地位の低い人々の公平性とアクセスを向上させる組織やプログラムを支援するために、1億2,500万ドル(約160億円)のコミットメントを発表した。
KPMG USの新たな報告書は、「人」「地球」「繁栄」「ガバナンスの原則」という4つの柱に沿った当社の戦略を詳述しており、昨年発表したKPMGインターナショナルの「Our Impact Plan」や、世界経済フォーラム(WEF)がKPMGや他の大手専門サービス企業の参加を得て開発したステークホルダー資本主義の指標と開示の普遍化セットと整合している。
KPMGの「人」のカテゴリーには、DEIに焦点を当てた長期戦略「Accelerate 2025」や、多様なサプライヤーへの支出目標に加え、代表権のないグループからのパートナーおよびマネージングディレクターの50%、黒人およびヒスパニック/ラテン系労働者の50%増を達成する目標が含まれている。
KPMG USの「地球」への取り組みには、KPMGインターナショナルの目標に沿った2030年のネット・ゼロ目標や、業務用の再生可能エネルギー100%の調達を継続する誓約が含まれる。さらに、KPMGは、排出コストのビジネス上の意思決定へ反映を目的として、炭素に対する社内価格を設定した。本炭素価格は、KPMGのスコープ1および2の排出量と、出張に伴うスコープ3の排出量に適用される。
KPMG U.S.の繁栄に向けた取り組みには、新たに1億2,500万ドル(約160億円)の誓約が含まれている。これは、KPMG U.S. の125周年を記念して、教育、コミュニティの治癒、メンタルヘルスなどの分野を中心に、「コミュニティにおいて歴史的に制度的障壁に直面してきた劣等人種間の平等とアクセスを促進する組織、プログラム、取り組み」を支援するという、当社およびKPMG U.S. Foundationからの投資を提供するというものである。
KPMGのガバナンスに関するコミットメントには、社員が「倫理的に行動し、困難な状況でも躊躇なく発言できる」文化を醸成すること、誠実さに焦点を当てたガバナンスモデルの継続的強化、監査品質における専門家のリーダーシップが含まれる。KPMG は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)、国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)の活動支援など、サステナビリティ報告のイニシアティブにおいて積極的な役割を担っていることにも言及している。
【参照ページ】
(原文)KPMG U.S. Launches Inaugural Impact Plan Affirming Commitment to Transparency and Accountability
(日本語訳)KPMG米国法人、透明性と説明責任へのコミットメントを確認する「Impact Plan」を新たに開始