3月18日、太平洋セメント株式会社(太平洋セメント)と、東京ガス株式会社(東京ガス)は、脱炭素社会の実現に向けた検討の共同実施に合意した。協業の第一歩として、将来的なセメント製造工程から回収される高濃度CO2を原料として合成されるメタンの都市ガスインフラによる供給を目指したメタネーション事業の実現可能性調査の開始を発表した。
太平洋セメントは、2022年1月にNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業において「CO2回収型セメント製造プロセスの開発」に採択され、CO2回収型セメント製造プロセスならびにメタネーションシステムの開発に着手した。さらなるカーボンリサイクルの拡充を志向し、合成メタンのセメント製造工程における利用に加え、幅広く熱エネルギーとして再利用するための協業先を探してきた。
一方、東京ガスは、グループ経営ビジョン「Compass2030」の中で「価値共創のエコシステム構築」ならびに「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げる中で、他のセクターから排出されるCO2を利用したメタネーションによる合成メタンを有効活用するカーボンリサイクルの本格的社会実装に向けての協業先を探してきた。
両社は、本検討を契機として、セメントセクターとガスセクターのカップリングにより、脱炭素社会の実現に向け連携して取り組んでいくと述べている。