英NGOのSEUK、社会的投資に関する提言レポート「Reclaiming the Future」を発表

英NGOのSEUK、社会的投資に関する提言レポート「Reclaiming the Future」を発表

1月26日、Social Enterprise UK(SEUK)は社会的投資の提言レポート「Reclaiming the Future」を発表した。同レポートでは、社会的企業の資金不足を問題視し、低金利でのファイナンス手法の拡大を提言した。

同レポートは、「 Social Enterprise 」を、社会または環境ミッションを明言し利益の大半を課題解決への再投資に費やしている組織と定義している。また社会的投資とは、社会的企業への債権もしくは出資の形式でのファイナンスであり、寄附等は含まれないとしている。

SEUKは重要な課題の一つとしてファイナンス不足を挙げており、金融機関にとって投資対象が少ないことを原因としている。そのため、同レポートは解決策として、社会的企業へのファイナンスに対しては期待リターンを低くするよう促している。

具体的には、市場水準リターンを求めるファイナンスと市場水準未満のリターンでよいファイナンスや寄付とを組み合わせた「ブレンデッド・ファイナンス」が重要だとSEUKは述べている。また、同レポートでは、これまで英国でのソーシャル投資を牽引してきた政府系のBig Society Capitalが、市場水準リターンを重視しすぎていることを課題と認識し改革を促している。

【参照ページ】
Reclaiming the Future

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る