1月11日、国際環境NGOのThe Climate Groupが運営する事業電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指す国際イニシアチブ「RE100」は、2021年版の年次報告書を発表した。
本報告書によると、RE100に加盟しているメンバーが再生可能電力調達の際に直面する課題として、 再生可能な電力が限られている、または利用できない(66市場の40会員が報告)、調達機会の不足(111市場の37会員が報告)、法外なコスト(41市場の27会員が報告)が 上位3つに挙げられた。
本イニシアチブのメンバーが経験した、調達の障壁を最も多く示しているのはアジアである。27社のメンバーが韓国での障壁を挙げ、日本では24社、中国では22社が障壁を挙げている。2020 年のレポートでは、自然エネルギーの高コスト、企業の調達オプションの貧弱さ、自然エネルギーの 限定的な入手可能性などが、一般的な障壁として挙げられている。当然のことながら、オーストラリア、ロシア、サウジアラビアのような伝統的に化石燃料に依存している国で事業を行うメンバーは、調達オプションの欠如やコストなどの障壁を挙げている。
これらの課題にもかかわらず、最新の報告書では、RE100 の加盟企業数はアジア太平洋地域で年間最大の伸びを示し、36 社が新たにメンバーとなった(これは新規メンバーの 62%に相当する)。RE100のアジア太平洋地域のメンバー数は、2016年の10社未満から102社となり、この地域の企業が再生可能エネルギー100%の電力を採用する意欲を高めていることがわかる。
RE100の会員は、現在、排出量第12位の英国を上回る電力を消費しており、349のメンバーからなる本イニシアチブは成長を続けている。世界の発電による温室効果ガス排出の半分が企業によるものであることから、再生可能エネルギーによる電力100%を達成するための課題を克服し、意欲ある企業がネット・ゼロを達成できるようにすることが極めて重要となる。
【参照ページ】
(原文)RE100 companies need better renewable electricity options from national governments, shows latest report
(日本語訳)RE100、2021年版の年次報告書を発表 加盟企業数は349社に