12月23日、持続可能な発展を目指す企業で構成される連合体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)のタイヤ産業プロジェクト(TIP)は、タイヤ産業の持続可能性を向上させる取り組みの一環として、会員企業の製造事業における環境パフォーマンスに関する報告書を発表した。
この報告書は、集計されたデータと毎年設定される絶対値および原単位の重要業績評価指標(KPI)を用いることで、タイヤ製造事業の環境パフォーマンスの成長を前年比で見ることができるようになっており、2009年から2020年までの年次モニタリングデータ、エネルギー消費量、CO2排出量、水の摂取量、ISO14001認証取得状況を考慮したKPIを含んだものである。
2009年以降に見られた前年比での着実なパフォーマンス向上は、2020年にタイヤ業界がCOVID-19の社会的・経済的影響を受けて不安定な状態になり失速。一方で、TIP会員はパンデミックにもかかわらず、製造オペレーションの持続可能なパフォーマンスを向上させるための継続的な取り組みに注力している。
また本報告書のデータ作成にあたり、TIPは「持続可能性主導:タイヤセクターSDGロードマップによる影響の加速」を立ち上げた。本ロードマップは、2030年までのSDGs目標にタイヤセクターが貢献するためのインパクトある道筋を示す行動の枠組みを提供するものだという。
TIPのKPIレポートは、バリューチェーンに沿った意思決定の指針、情報提供、支援、ステークホルダーとの対話の促進、業界内外の行動指向のイニシアティブを刺激することを目的としたロードマップの中心的な役割を担っており、TIPは2023年までにSDGsの進捗を測定するための追加的なKPI指標を開発する予定だ。
【参照ページ】
Tire companies report on environmental performance of manufacturing operations