12月16日、サステナビリティ会計基準審議会(SASB)は、複数のSASB基準における多様性、公平性、包括性(DEI)に取り組むプロジェクトと、海上輸送基準における温室効果ガス排出量(GHG)と大気質に取り組むプロジェクトの2つの基準設定プロジェクトの開始を発表した。
SASBの各セクターにおける人的資本管理テーマの範囲と普及度を評価することを目的とした人的資本プロジェクトを推進するため、理事会は、企業価値に対するDEIの影響を評価するために、その産業基準全体における開示項目と指標の追加・改訂を評価するプロジェクトを開始している。次の段階として、業種リストの精緻化、市場横断的なチャネルや業種の検討、開示トピックの範囲や一般的な課題区分のマッピングに関する見解の策定などの調査を実施する予定である。
2つ目の基準設定プロジェクトは、海上輸送基準におけるGHGと大気質のトピックにおける会計基準の改善を評価することを目的としている。このイニシアティブの作成は、企業グループ、投資家、専門家から寄せられたフィードバック、および海運業界企業の情報開示と現行基準との整合性の分析によって動機付けられた。投資家の情報ニーズに焦点を当て、市場参加者との協議を促進するために、さらなる調査や資料の作成が行われる予定である。
今年初め、SASBは国際統合報告評議会(IIRC)と合併して価値報告財団を設立し、11月には気候変動開示基準委員会(CDSB)と共に国際財務報告基準財団(IFRS)に統合されることを明らかにした。IFRSの発表は、グローバルな持続可能性開示基準の策定に取り組む国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)の発足と同時に行われた。
【参照ページ】
(原文)Human Capital: Diversity, Equity & Inclusion
(日本語訳)SASB、ダイバーシティ&インクルージョンの報告基準を設定するイニシアティブを開始