世界経済フォーラム、中小企業のサステナビリティに関するレポートを発表

11月30日、世界経済フォーラム(WEF)は、中小企業にとっての機会獲得手段を分析したケーススタディを発表した。これまでは、大企業が世界経済や持続可能な開発目標にどのように貢献しているかに関心が集中していたが、見過ごされがちであった中小企業を、世界の経済活動や社会・環境の進歩を牽引する主要な存在としてとらえ始めた。

11日に発表された新しいレポートでは、これまで不利な立場にあった中小企業が、新たな機会につながる要因を発見している。複数の産業や地域から集められた9つのケーススタディでは、中小企業が将来の準備態勢を高めるために何ができるかを明らかにしている。

また、本報告書は中小企業が社会的影響力の面で遅れをとっていることも明らかにしている。サステナビリティ目標に沿って事業を展開する必要性は明らかだが、多くの中小企業は社会的影響を中心とした明確な戦略や業績評価をまだ行っていない。

中小企業の経営者が挙げた上位の課題は、人材の獲得と維持、存続と拡大、資金調達と資本へのアクセス、支援のない政策環境、強い文化と明確な企業目的・価値の維持の難しさなどである。

中小企業は、その規模、ネットワーク、人材、テクノロジーの強みを活かして、持続可能な成長、社会へのポジティブな影響、強固な適応能力という目標をサポートすることが可能である。そのため、成長のための必要な支援インフラなどを整えていくことが必要である。

現在、世界経済フォーラムでは、中小企業との関りを深めようとしており、新しいビジネスモデルや新技術、持続可能な成長戦略を開拓している前向きな企業からの応募を受け付けている。

【参照ページ】
(原文)Small Businesses Adapting to Rapidly Changing Economic Landscape, Study Finds
(日本語訳)世界経済フォーラム、中小企業のサステナビリティに関するレポートを発表

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-5-21

    ESMA、ESG評価機関規制に関する技術基準案を公表―透明性と利益相反への対応を強化

    5月2日、欧州証券市場監督局(ESMA)は、ESG評価機関に関する新たな規制技術基準(RTS)案を…
  2. 2025-5-21

    個人投資家、サステナビリティ投資への関心依然高く

    4月30日、モルガン・スタンレー・サステナビリティ投資研究所が発表した調査報告によると、世界の個人…
  3. グローバルガバナンス体制構築に向けた実践的ツール紹介

    2025-5-20

    グローバルガバナンス体制構築に向けた実践的ツール紹介

    コーポレートガバナンスは、企業経営に直接的に係る課題であり、あらゆる企業において例外なく重要である…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る