ネスレとILO、コーヒー供給網の労働環境改善へ新プロジェクト始動

3月31日、食品大手のネスレは、国際労働機関(ILO)との長年のパートナーシップを拡大し、コーヒー供給網における労働環境改善を目的とした2年間の新プロジェクトを開始したと発表した。

「From fair recruitment to worker protection in coffee supply chains(コーヒーサプライチェーンにおける公正な採用から労働者の保護まで)」と名付けられた同プロジェクトは、ブラジル、コロンビア、メキシコの3カ国を対象に、労働者の権利保護と公正な採用慣行の促進を図るものだ。コーヒーはこれらの国々にとって重要な輸出産品である一方、サプライチェーン上では労働環境や人権に関する課題も指摘されてきた。

プロジェクトでは、ILOが持つ国際的な基準設定機能や調整力を活用し、各国政府、雇用者団体、労働者組織の間で対話を促進する。これにより、労働条件の不備やリスクの要因を特定し、各国の実情に応じた具体的な対策を講じる。現地での取り組みを通じて得られた知見は、コーヒー産業全体に向けたグローバルな知識共有にもつなげる方針である。

本プロジェクトは、ネスレのサステナビリティプログラム「Nescafé Plan」の支援を受けて実施される。また、ILOが推進する「Fair Recruitment Initiative」や、安全で健康的な労働環境の実現を目指す「Safety + Health for All」プログラムの一環として位置付けられ、特にVision Zero Fundの取り組みにも貢献する。

ネスレはこれまでも、ILOが主導する児童労働対策の枠組み「Child Labour Platform」の創設メンバーとして、農業サプライチェーンにおけるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の推進に関与してきた。今回の取り組みもその延長線上にあり、コーヒー産業におけるサステナビリティと人権配慮の強化を図る狙いだ。

企業によるサプライチェーン管理への責任が問われる中、今回の協働は国際機関と企業が連携して労働課題に対応するモデルケースとして注目される。今後、こうした取り組みが他の農産品や地域へ広がるかが焦点となる。

原文:ILO and Nestlé partner to advance labour rights in coffee supply chains


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