ISSB、SASBスタンダード改訂案を公表—農業・食品・電力業界の開示項目が拡充

国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は2026年3月、SASBスタンダードおよびIFRS S2の産業別ガイダンスに関する改訂案の草案を公表した。対象は「農業製品」「食肉・家禽・乳製品」「電力・発電」の3業界で、気候関連開示の整合性と国際的な適用可能性の向上が狙い。
今回の改訂では、GHG排出や水管理など既存トピックの見直しに加え、業界横断的にサプライチェーン管理の再編が進められた点が特徴的だ。従来の調達・影響トピックは「環境サプライチェーン管理」「社会的サプライチェーン管理」へと再整理され、より体系的な開示が求められる。
また、農業分野では、主に「食品ロス・廃棄物」「土地利用・生態系影響」などに関する指標が新設され、食肉・乳製品では「製品イノベーション」や「動物の健康と福祉」への拡張が行われた。電力セクターでは、主に「生態系影響」「先住民族の権利(人権デューデリジェンス)」「従業員の採用、育成、定着」など新トピックが追加され、従来の環境中心の枠組みから、社会・ガバナンス領域への広がりが明確になっている。
なお、各業界で活動指標の見直しや労働力構成に関する指標の追加が行われており、人的資本情報の強化も重要なポイントとなる。
ISSBは本草案について2026年7月24日まで意見募集を実施予定。IFRS S1・S2との一貫性を確保しつつ、投資家にとって意思決定有用性の高い産業別開示の高度化が進むかが注目される。
原文:ISSB seeks feedback on proposed amendments to three SASB Standards
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