規制変更があっても85%の企業が気候報告を継続、Workiva調査

2月、Workivaが発表した「2024年サステナビリティ・プラクティショナー調査」によれば、85%の企業が規制が変更された場合でも、気候報告計画を継続する意向を示していることが明らかになった。本調査は、さまざまな業界のサステナビリティ担当者などを対象に実施され、企業が環境、社会、ガバナンス(ESG)報告への取り組みをどのように進めているかを分析したものである。

本調査では、企業が持続可能性に関する報告を進めるうえで、規制変更への不確実性を感じながらも、ESG報告の重要性を認識している姿勢が浮き彫りとなった。具体的には、85%の回答者が、規制変更があったとしても現在の気候報告計画を継続すると回答しており、企業の間で持続可能性への強いコミットメントが伺える結果となっている。

また、調査では、報告の透明性と信頼性を確保することが依然として企業にとって重要であることが示された。回答者の多くが、規制遵守を超えて、利害関係者に対して信頼性の高い情報を提供することを目指していると述べている。これにより、規制の枠組みが変化しても、企業が独自の判断で持続可能性の取り組みを進める傾向が強まっていると考えられる。

一方で、調査結果は課題も浮き彫りにしている。多くの企業がデータ収集や分析プロセスにおける効率化を課題として挙げており、特に複数のデータソースを管理する難しさや、正確で一貫性のある情報を提供するための技術的なハードルが指摘されている。これに対して、企業はテクノロジーの導入や専門知識の活用によってこれらの課題に取り組む意向を示している。

本調査の結果は、企業が持続可能性への取り組みを優先事項として捉え、規制の変更にも柔軟に対応する姿勢を示していることを裏付けている。Workivaは、こうした動向を踏まえ、企業が信頼性の高い報告を行えるよう支援するソリューションを提供し続けると述べている。

【参照ページ】
(原文)2024 Sustainability Practitioner Survey

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