12月、国連責任投資原則(PRI)は、人権に関するESG投資を強化するため、機関投資家のニーズと課題の調査を開始したと発表した。調査結果は2022年中にも発表する見通し。
PRIは、機関投資家は、UNGPsとOECDガイドラインで定義されているように、すべての投資において人々への害を最小限に抑える責任があると表明している。投資ポートフォリオにおいて、人権の軽視は負の結果をもたらすことにつながることになる。現在、フランスのビジランス法、ドイツのサプライチェーン法など各国にて人権に関する規制の強化が図られている。
また、持続可能な金融情報開示規制の一部として、投資会社は悪影響をもたらす可能性のある情報を開示しなければならないと規定されている。他の管轄区域(例えば、オーストラリア、カリフォルニア、および英国)では、特定の人権問題に対する規定も設けられている。
加えて、有意義なソースデータ、集計された情報および分析を入手し、投資家が投資先企業のデューデリジェンスの質への理解が容易になることが必要である。グローバルで多様化した企業では、リスクや実際の被害状況のモニタリングがさらに複雑になる可能性も考えられる。
本調査の結果は、投資家へのデータ提要、ガイダンス策定、ケーススタディ作成、政府や国際機関へのアドボカシー、機関投資家及びデータプロバイダーへのエンゲージメント等に活用される予定である。
【参照ページ】
RESEARCH ON INVESTOR DATA NEEDS AND CHALLENGES TO MANAGE HUMAN RIGHTS