11月25日 、フランス連帯・エコロジー転換省は、ブラジルでの大豆生産での森林破壊リスクを可視化したツールをリリースした。
本ツールは、Canopée協会およびTraseイニシアチブと共同で開発されたもので、ブラジルの
各自治体の森林伐採の特徴を示す衛星データと、物流の流れに関するデータを相互に参照することにより、フランスの大豆輸入に伴うブラジルの生態系の森林伐採と転換のリスクを、フランスの各輸入企業ごとに評価するものである。
フランスは、2018年11月14日に「輸入森林伐採に対抗する国家戦略(SNDI)」を採択し、自国の輸入品が海外の森林伐採、森林劣化、自然生態系に与える影響を食い止めるための戦略を採用した最初の国となった。この戦略では、2030年までに、カカオ、ゴム、大豆、パーム油、木材およびその派生品、牛肉および副産物の各セクターにおいて、森林破壊の原因となる非持続的な森林・農業製品の輸入を排除することを目指している。
リリースされた本ツールにより、サプライチェーン上のリスクのある企業や生産地を特定することができ、フランスの関係者は追加情報の検索や警戒に集中することが可能になる。例えば、衛星データによると、ブラジルでは大豆生産量の20%に相当する273の自治体が森林破壊のリスクの91%を占めていることがわかる。
このツールが提案するダッシュボードは、大豆セクターにおける森林破壊リスクの分析のために、官民の関係者が利用できるリソースである。これは、大規模なコモディティチェーンの関係者が実用的な方法でリスクの閾値を定義する方法において、重要な進歩を反映している。
【参照ページ】
(原文)Nouvel outil d’évaluation des risques de déforestation liée aux importations de soja
(日本語訳)フランス政府、ブラジルにおける森林破壊リスクを可視化するツールを発表