11月22日、Aviva Investorsは、リアル・アセット・セクターの機関投資家を対象とした年次サーベイを発表した。本サーベイによると、投資家がネット・ゼロ・コミットメントを強化する中、リアル・アセットへの投資意欲が高まっていることがわかった。
「Aviva Investors Real Assets Study」では、世界56カ国の保険・年金基金の投資意思決定者
1,100人以上を対象に調査を行った。今回の調査では、ネット・ゼロの投資コミットメントを設定する投資家が急増していることが明らかになった。また年金基金と保険会社の半数以上が、2050年までにポートフォリオでネット・ゼロを達成する計画を立てており、昨年の39%から大きく増加している。ネット・ゼロ・コミットメントは、保険部門では52%、年金部門では50%とほぼ同じだったが、地域によって異なり、北米の年金基金では60%がポートフォリオのネット・ゼロを誓約しているのに対し、欧州では47%、アジアでは41%にとどまっている。
Avivaによると、現在3分の2の年金基金がネット・ゼロ・コミットメントを実施しており、昨年の47%から大幅に増加している。
また本サーベイでは、現在世界中の政府が、COVID後の「Build-Back-Better」イニシアティブに民間資本を呼び込もうとしており、クリーンエネルギー、持続可能なインフラ、気候変動への耐性などの分野への投資を促す政策環境の改善に伴い、リアル・アセットへの投資意欲が高まっていると述べている。回答者の約45%が、今後1年間でリアル・アセットへのアロケーションを増やす予定であると回答している。
本調査では、リアル・アセットへの投資を非常に後押しする要因を調べたところ、90%の投資家が透明性の高い報告と目標設定が後押しになると回答しており、これはグリーンファイナンスやカーボンオフセットでみられる投資要因とほぼ似通っている。
また、保険会社と年金基金では、気候変動に焦点を当てた重要業績評価指標(KPI)に違いがあることがわかった。保険会社が「最も重要な実物資産の気候変動関連KPI」として最も多く挙げたのは「気候物理的リスク」で36%、一方、年金基金では「気候変動リスク」が37%でトップとなった。
【参照ページ】Real Assets Study 2020