10月20日、サステナビリティに特化した非営利団体であるCeres社は、「Investor Guide to Corporate Greenhouse Gas Commitments(企業の温室効果ガス排出量に関する投資家ガイド)」を発表した。
来月開催される国連気候サミット(COP26)に先立ち、国連が支持する気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、気温上昇を1.5℃に抑えるという世界的な気候目標を達成し、気候変動の最悪の影響を回避するためには、排出量削減のための早急な行動が必要であると警告している中、本レポートの発行が実現した。
規制や投資家から気候変動への影響に対処するよう求められる中、企業は排出量削減の取り組みを強化し始めているが、多くの企業はまだ意味のある目標を設定しておらず、最近の調査では、大半の企業がネット・ゼロ・ターゲットを達成する目処が立っていないことが明らかになっている。同社の分析によると、フォーチュン500社のうち85%以上の企業がしっかりとした気候変動対策の目標を設定しておらず、サステナビリティレポートに気候変動対策の移行計画を盛り込んでいるのはわずか9%となっている。
Ceresの担当者は、この新しいガイドについて「増え続ける企業の気候変動対策への取り組みを分かりやすく説明しており、投資家が企業に強い意欲と行動を促すことができるようになる。」と述べている。
本ガイドでは、排出量削減やエネルギー効率の目標から、科学的根拠に基づく目標設定やネット・ゼロの誓約まで、気候変動に関するコミットメントの背景を説明し、科学的根拠に基づく目標設定(SBTi)やClimate Action 100+など、企業や投資家が従うことのできるいくつかの先進的なイニシアチブやフレームワークを投資家に紹介している。 また気候変動対策を推進するために、投資家ができる一連の取り組みとして、直接対話、株主決議、委任状投票のほか、同業他社のESG活動の推進、世論の圧力を高めるためのメディアキャンペーンなどを紹介している。
また本ガイドでは、さまざまなトピック分野に関する一連のファクトシートを投資家に提供しており、トピック分野の詳細情報、投資家が注意すべきレッドフラッグ、質問事項、推奨事項などが記載されています。ファクトシートには、「クリーンエネルギーの目標」、「温室効果ガスの削減目標と科学的根拠に基づく目標」、「ネットゼロとカーボンニュートラルの目標/カーボンクレジット」、「スコープ3と移行計画」、「公正で包括的な経済」などが含まれている。
【参照ページ】
(原文)Ahead of COP26, new guide aims to help investors evaluate…
(日本語訳)Ceres、投資家が企業の気候変動への取り組みを評価・関与するためのガイドを発表