ノルウェーファンド運用会社NBIM、SECの気候関連開示規則撤回に反対 

8月3日、ノルウェー政府年金基金グローバル(GPFG)を運用するノルウェー銀行投資運用部門(Norges Bank Investment Management:NBIM)は、米証券取引委員会(SEC)が実施している気候関連開示規則の撤回案に対する意見書を提出し、規則の全面撤回に反対する考えを表明した。

NBIMは、2025年末時点で約2兆ドルの資産を運用しており、そのうち米国市場への投資額は全体の53%を占める。米国上場企業1,306社に総額8,220億ドルを投資しているとして、長期的な機関投資家の立場から意見を提出した。

意見書では、気候変動が企業、産業、市場全体の価値に影響を与える重要なリスク要因であり、投資家が適切な投資判断やリスク管理を行うためには、一貫性と比較可能性を備えた気候関連情報の開示が必要だと指摘した。特に、Scope1およびScope2の温室効果ガス排出量は移行リスクの評価に不可欠な情報であり、企業による排出量開示は投資家にとって価格形成上も有用な情報であるとの見解を示した。

SECは2026年、気候関連情報の開示を義務付ける最終規則(Final Rules)の撤回案について意見募集を行っていた。これに対しNBIMは、現行規則が採用する「財務的重要性(Financial Materiality)」の考え方を支持するとしたうえで、気候リスクが重要な場合に企業のガバナンスや戦略、財務諸表への影響を体系的に開示する枠組みは、企業と投資家双方に利益をもたらすと主張した。

一方で、NBIMは、規則の全面撤回ではなく、適用対象や実施時期を調整する代替案を提案した。具体的には、大企業や気候リスクの高い業種から段階的に適用することや、報告負担を軽減するための比例的措置の導入、さらに国際的な気候開示基準との整合性向上などを挙げている。

また、NBIMは、標準化された気候関連開示が企業と投資家の間の情報格差を縮小し、価格形成や資本コストの改善につながると指摘した。自主的な情報開示だけでは十分な比較可能性や一貫性が確保されておらず、投資家による気候リスク評価を制約しているとの見解も示している。

NBIMは、SECが規則を撤回するのではなく、国際基準との整合を図りながら気候関連開示制度を維持・改善することが、投資家保護と市場の透明性向上につながるとの考えを示した。

原文:Consultation on Proposed Rescission of Climate-Related Disclosure Rules
日本語参考訳:気候変動関連情報開示規則の撤廃案に関する協議


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