EU、データセンターに最低性能基準導入へ AI普及で増える電力消費・水使用に対応

Data center corridor with rows of server racks and glowing indicator LEDs in cool blue lighting

9月21日、欧州委員会は、EU域内のデータセンターを対象とした最低性能基準の導入に向け、パブリックコンサルテーションと意見募集を開始した。AIの普及などに伴いデータセンターの電力消費が増加する中、エネルギー効率や水使用などに関する最低基準の導入を検討する。意見募集は12月14日までで、欧州委員会は2027年第2四半期に法案を公表する予定である。

欧州委員会によると、EUのデータセンターによる電力消費量は2024年に68TWhで、2030年には114TWhまで増加し、EU全体の電力需要の3.2%に達すると見込まれている。AIをはじめとするデジタル技術の普及によって、この予測がさらに上振れする可能性もある。データセンターの拡大は、電力消費だけでなく、電力網への負荷やCO2排出、水などの環境資源への影響も課題となっている。

EUではすでに、エネルギー効率指令(EED)に基づき、設置されたIT機器の電力需要が500kW以上のデータセンターを対象に、エネルギー性能やサステナビリティに関する情報の公開を求めている。2024年からはEUのデータベースへの報告も始まり、最初の報告期間には770のデータセンターがデータを提出した。

報告データをもとに、欧州委員会はデータセンターの電力使用効率を示すPUE(Power Usage Effectiveness)、水使用効率を示すWUE(Water Usage Effectiveness)、エネルギー再利用率を示すERF(Energy Reuse Factor)、再生可能エネルギーの利用割合を示すREF(Renewable Energy Factor)の4つの指標から、エネルギー効率やサステナビリティを分析した。2024年の報告値では、EUのデータセンターの平均PUEは1.36、平均WUEは0.58だった。

今回検討される最低性能基準では、PUE、WUE、REFなどについて基準値を設定することが選択肢となっている。最初の報告期間では、報告したデータセンターのおよそ半数が、推奨されるPUEの基準値1.5またはWUEの基準値0.4のいずれか、もしくは両方を上回った。今後はデータセンターの規模や築年数、気候条件、立地などを考慮しながら、具体的な基準を検討する。

AIの利用拡大に伴ってデータセンターの需要が増加する中、その電力消費や水使用をどのように抑えるかは、EUのエネルギー・環境政策上の課題となっている。欧州委員会は今回の意見募集を踏まえて制度設計を進める方針であり、2027年に向けて最低性能基準がどのように具体化されるかが注目される。

原文:Minimum performance standards for data centres in Europe – public consultation launched REPORT FROM THE COMMISSION TO THE EUROPEAN PARLIAMENT AND THE COUNCIL on the energy efficiency of data centres in the EU


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