英国、新たな気候関連開示基準「UK SRS S2」を公表—企業に気候リスクの財務影響開示を義務化

2月25日、英国政府は企業の気候関連情報開示を強化する新基準「UK Sustainability Reporting Standard S2(UK SRS S2)」を公表した。これは企業が直面する気候変動に関連するリスクと機会について、財務報告利用者に有用な情報を提供することを目的とするものである。
この基準は、企業が短期・中期・長期にわたり、気候関連要因がキャッシュフロー、資金調達能力、資本コストに与える影響を開示することを求める。対象となるのは、気候変動による物理的リスク(洪水・干ばつなどの気候現象による影響)および低炭素経済への移行に伴う移行リスクである。また、気候変動対応によって生じる事業機会についても開示対象となる。
開示内容は主に四つの分野で構成される。第一にガバナンスでは、取締役会や経営陣がどのように気候関連リスクを監督・管理しているかを説明する必要がある。第二に戦略では、気候変動が企業のビジネスモデルやバリューチェーン、投資計画に与える影響を示す。第三にリスク管理では、企業が気候関連リスクや機会をどのように特定・評価・優先順位付けしているかを開示する。第四に指標と目標では、温室効果ガス排出量や気候関連投資などの指標、および排出削減目標などの進捗状況を報告することが求められる。
特に温室効果ガス排出量については、Scope1・Scope2・Scope3の区分に基づき、CO₂換算トンで排出量を開示することが求められる。さらに企業は気候シナリオ分析を用いて、自社の戦略や事業モデルの気候レジリエンスを評価し、その結果を説明する必要がある。
UK SRS S2は、サステナビリティ関連財務情報の一般開示要件を定める「UK SRS S1」と併せて適用され、企業のサステナビリティ情報と財務情報の統合的な開示を促進する枠組みとして位置付けられている。
(原文)UK Sustainability Reporting Standards: UK SRS S1 and UK SRS S2
(日本語参考訳)英国のサステナビリティ報告基準:UK SRS S1およびUK SRS S2
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