グリーンファイナンス、次の成長段階へ 環境省が中長期の方向性と期待を整理

7月25日、環境省は、「グリーンファイナンス市場の中長期的な発展に向けて:市場参加者に期待する取組事項(概要)」を公表した。2024年末までに約5兆円に拡大した国内グリーンファイナンス市場に対し、国際的な動向や市場環境の変化を踏まえつつ、今後の課題と対応の方向性を整理した。市場参加者に対し、中長期的な視点での取組継続と拡充を求めた。

資料では、グリーンファイナンスを「国民の福祉向上と経済基盤の強化に資する環境改善を実現する金融メカニズム」と定義している。事業者の脱炭素化や資源循環を支援しつつ、経済の安定と成長、国民のウェルビーイング向上に寄与する意義を強調した。

また、アセットオーナーや銀行・保険会社、証券会社などの関係主体に対し、インパクトレポーティングの強化、質の高いエンゲージメント、資金調達の透明性確保など具体的な行動を提示した。市場の「量と質」の拡充を図るとした。

今後、グリーンローンや地方金融機関による取組の支援、グリーンリストの拡充、個人投資家の参画促進などを通じ、官民連携で持続可能な経済社会の基盤整備を進める構えだ。

(原文)「グリーンファイナンス市場の中長期的な発展に向けて」の公表について

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