米Radiant、原子炉商用化に向け1億6500万ドル調達──ポータブル核融合の新時代へ

5月28日、米カリフォルニア州エルセグンド拠点のスタートアップRadiantは、シリーズCラウンドで1億6500万ドルの資金調達を完了し、累計調達額は2億2500万ドルに達したと発表した。新たな出資者にはGiant Ventures、StepStone、ARK Venture Fund、Hanwha Asset Management Venture Fundなどが名を連ねる。

Radiantは、量産型ポータブル核マイクロリアクター「Kaleidos」を開発する先駆的企業であり、2026年にアイダホ国立研究所DOME施設にて初のリアクター試験を予定している。この試験には米エネルギー省から選定された高濃縮低濃度ウラン燃料(HALEU)を使用する。

Kaleidosは出力1MWで、ディーゼル発電の代替として設計され、遠隔地の村落、緊急対応、軍事基地などでの分散型エネルギー供給に対応する。RadiantのDoug Bernauer CEOは、米国で50年ぶりとなる新たな原子炉設計の試験に向けて、世界有数の技術系投資家の支持が集まっていることを明らかにし、「米国が原子力革新を主導し続けるべきだという信念への力強い後押しだ」と述べた。

資金は主に開発ユニットの完成、量産工場の立地選定および初期建設に充てられ、年間最大50基のマイクロリアクター製造が目指されている。

(原文)Radiant closes $165 Million Series C with additional funding from Giant Ventures, StepStone, ARK Venture Fund, and others

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-6-6

    EU、2030年気候目標達成に大きく前進 NECPsの評価で54%の排出削減見通し

    5月28日、欧州委員会は、EU加盟国の国家エネルギー・気候計画(NECPs)に関する最新の評価を発…
  2. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…
  3. 2025-6-5

    マイクロソフト、低炭素セメント調達でSublime Systemsと提携 建設部門の脱炭素化を加速

    5月22日、マイクロソフトは、建設部門におけるCO₂排出削減を目指し、サブライム・システムズ製の低…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る