オクシデンタル・ペトロリアム、DAC企業ホロシーンを買収

4月16日、トランプ政権が大規模なCO2除去プロジェクトに対して積極的でない中、オクシデンタル・ペトロリアムは直接空気回収技術(DAC)技術への関心を高めている。同社は最近、スタートアップ企業ホロシーンを非公開の金額で買収した。これは、オクシデンタルがOxy Low Carbon Venturesを通じて2年以内に買収した2社目のDAC企業である。

ホロシーンは、スタンフォード大学のMBA学生3人によって2023年に設立され、オークリッジ国立研究所からライセンスを受けた新しいアプローチを追求している。彼らは、Googleのために100,000トンのCO2を除去する契約を結び、1トンあたり100ドルという記録的な低価格を達成した。

オクシデンタルは、2023年8月にカーボン・エンジニアリングを11億ドルで買収し、テキサス州エクター郡でのプロジェクト「ストラトス」を進めている。このプロジェクトは、年間50万トンのCO2を空気から除去することを目指している。

ホロシーンの技術は、カーボン・エンジニアリングと類似しており、空気を引き込み、CO2を選択的に捕捉する液体を通過させるシステムを使用している。ホロシーンは、低温でCO2を分離する独自の化学を用いており、再生可能エネルギーやデータセンターの廃熱を利用できると述べている。

オクシデンタルの買収は、DAC業界にとって重要なシグナルであり、業界の将来性を示している。ホロシーンの共同創設者たちは、オクシデンタルとの統合が技術のスケールアップに最適な道を提供すると確信している。

この買収は、DAC技術の商業化とスケールアップに向けた重要なステップであり、オクシデンタルはCO2を専用の貯蔵井に隔離する計画を進めているが、同時に石油生産を増加させるためにCO2を利用することも視野に入れている。

(原文)Occidental Petroleum Buys DAC Startup Holocen
(日本語参考訳)オクシデンタル・ペトロリアムがDACスタートアップのホロセンを買収

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